今夜,君と…。
聞きたいことは,たくさんあるけど混乱する頭で言葉が出なかった。


「うんうん。よくわからんよな?簡単に説明するとな…海月ちゃんは大輝に売られたんやで?」

「え…!??売られ…た?」

「ここがなんの店かわかるかな?」

そういって高橋さんは部屋に静かに流れていた音楽を止めた。


近くにもたくさん部屋があるらしく,いろんな音楽が混じって聞こえた。






荒い吐息と甘い声とともに…。






「ここは飛日。ほんでこの店は本番屋!わかるかな?」


あたしは頭が真っ白になった。


しばらく動けないでいると高橋さんは,あたしの服に手をかけた。


「海月ちゃんはさ,大輝以外に何人経験してんの?」

「はぁ!??」

「俺,一応経営者やからさ。あまりにヒドイ子は店に出されへんやんか。だからまず味見する訳♪」


その目はとても怖くて,力だって強くて。


もうかなわないけど最後に願いをこめて口を開いた。


「…トイレに…行きたいです。」


高橋さんは,以外にもすんなりトイレにいかせてくれた。
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