今夜,君と…。
トイレの前には高橋さんが電話をしながら待っていて。

トイレには窓なんかなかった。


逃げれるはずがないから行かせてくれたんや…。



もう諦めはじめてた。

大輝はあたしのこと騙してた。


悲しくて泣きそうになったけど,これから起こる出来事のほうがきっとあたしに傷を残すだろう。


震える手でポケットを触ると携帯が出てきた。


「!!!」


あたしは急いで電話をかけようとした。


誰に…




誰か…!!




「もしもし…助けて!」

小さな声で話すあたし。


「何?どしたん!?どこ?!!」


「と……」

ドンドンドン。


「海月ちゃーん!時間切れ!」


びっくりして切ってしまった電話。

あたしは携帯をしまってドアを開けた。
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