今夜,君と…。
「すいません…て七瀬?!」






見慣れた服に聞き慣れた声。


ぶつかった時のぬくもりだって懐かしかった。







「…亮平…。」

「お前ここで働いて?!」

亮平は言いかけて,あたしの乱れた服を見て何かを理解したみたいだった。


「早く!!捕まえてこい!!!」


店の中から高橋さんの大きな怒鳴り声が聞こえた。

同時に一人の若い男の子が出てきた。

「あ!」

あたしと目が合うと手のばした。


捕まる!!!


そう思った時。


「すんません!さっき電話で,ちなつ予約したんすけど。」


亮平がゆうと焦りながら男の子は,接客を始めた

「あ!はい!!えーと…」


振り向かないまま亮平は背中で隠した手を早く行けって振る。






あたしは無言でそのまま走り出した。


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