恋~れんごく~獄
素早く立ち上がった私は、美加華に肩を貸すと、そのままトイレに連れて行った。
連れて行く途中、恋敵に肩を貸してもらう事を拒否し、何度か暴れた美加華をなだめすかすのは、非常に苦労したが、何とかトイレの中まで連れて行き、勢い良くもどす美加華の背中を、私はさすってやった。
もちろん、私はこの女に同情して肩を貸してやった訳ではない。私はただ、この女を監視しに来ただけなのだ。
今の彼女の場合に、ある特有の症状が起こることを期待し、見届ける為についてきたのだ。


-食べた量より飲む量が遙かに上回った場合、胃に何もないので吐きたくても胃液さえ吐けず、長く悪酔いが覚めず苦しむという症状-


結果的に、しばらくの間は、この女は戦線離脱する事になるだろう。



…果たして、その通りとなった彼女を見届けた後、これ幸いと、そのまま彼女を置き去りにした。
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