恋~れんごく~獄
「そんな事…ある、あるう。ちなみに君は、姉さまの絵画のタイトルを無題のままで、自分のタイトルだけしっかり付けてアピールしてる。


…鬼かます、か。英語ではバラクーダ=容赦ない略奪者。最低な女だな、君。」
奈津子は、全身の力が急激に抜けていく様な錯覚を覚えた。そして奈津子は、ある一つの恐れを抱いていた。テレビドラマでも、何度も見たことのある、このシチュエーション。そしてそれは、現実のものとなった。
「奈津子ちゃんよ。今日から、俺のものになれ…」


-脅迫…-


奈津子は冷や汗が止まらなかった。こんな日記、書かなければ良かった。
しかし、後悔してももう遅い。命と同等とまで言っても良い程の秘密を、奈津子は今、この流石武浩という男に握られているのだ。


-受け入れるしか無い…-
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