Coffee?
しばらくして、央がカバンを担いでやってきた。
「久し振り。」
ただ、それだけ言って、央は海斗の肩に手を回した。
そのまま弾みをつけて立ち上がる。
そこまでしなくても、とあたしは海斗をみた。
本当に体調が悪いの…?
ぐったりしている。
央に体重を預け、なんとか立っている状態だ。
やだ、そんなに?
央は無言で海斗の荷物のほうに顎をしゃくった。
あたしは頷いてボストンバックを持つ。
「駅まで遠いな。」
央がぼそっと漏らした。
「ゴメン。」
「いいよ。
由宇希一人だったらもっときつかっただろ。」
あたしは返事をせず、俯いた。
央は時々海斗に声をかけながら歩いた。
「大丈夫、休む?」
海斗はそのたびに弱々しく首を振り、懸命に足を動かした。
あたしはそんな海斗を恐々見て歩いた。