Coffee?
狭くて悪いな、と断りながら、央はあたし達を中に入れた。
海斗はもう靴を脱ぐ力も出ないらしく、央に助けてもらっている。
あたしは先に中に入って、泊まり客用の布団を押し入れから引っ張り出した。
「由宇希、ひけた?」
「うん。」
あたしは布団をめくって、海斗が座るのを待つ。
央が寝かせてやると、海斗はまた目を閉じた。
「央、なんか飲み物あったっけ?
ポカリ系の。」
「ないな。
炭酸ならあるんだけど。」
「ダメだね。」
買いに行こうと立ち上がる。
「何か、食べれるものってあったっけ?」
「米はある。
卵もあるし…。
ゼリーとか買ってきたほうがいいかもな。」
「わかった。
あたし、行ってくる。」
「俺行くって。」
央はあたしの手をつかんで引っ張った。
目があたしを諭してる。
「いてやれよ。」
海斗に聞こえないように囁かれ、あたしは顔をそらした。
「気まずいもん。
もう、ずっと会ってなかったのに。」
「だからこそ、いてやれよ。
海斗だってわけあって連絡とれなかったってこと、わかるだろ。」