Coffee?
わかってるけど。



「大丈夫。
お前らが相思相愛だってことはわかってる。
気まずい空気なんか、すぐ吹き飛ぶよ。」



太陽のような央の笑顔。



あたしは視線を床に落とした。



「……冷えピタも買ってきて。」


「わかった。」



一度、央の手があたしの頭を叩いた。



「行ってきまーす。」



央が出て行ってからもしばらく、あたしはそのまま突っ立っていた。



なんとなく、海斗のそばに行きにくい。



でも、台所と8畳ほどの部屋しかないこの空間に、他にいる場所なんてなくて。



あたしは足音を殺して海斗の布団の横に座った。



スースーと微かな息が聞こえる。



あたしがあそこでぐずぐずしていたから、余計悪化したのかも。



ふと思い立って、あたしは冷凍庫から氷を取り出した。



手近な桶に水を張り、その中に氷を放り込む。



タオルをつけて絞れば即席の冷えピタだ。



静かに戻って額に乗せてやると、海斗は少し顔を震わせた。



起きた?



おっかなびっくり身体を起こす。



海斗が目を開けてあたしを見た。






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