Coffee?
ひやりと気持ちいいのか、海斗は気持ちよさそうに息を吐いた。



腹、背中も拭いていく。



「どうして風邪なんか引いたな?」


「ちょっと。
話すと長いんだ。」


「…じゃあ、また。」



フフッと海斗は笑った。



身体が熱い。



一通り拭き終わると、海斗にシャツを着せた。



前開きのシャツで助かった。



海斗を寝かせてまた新しいタオルを置く。



「央、遅いね。」


「気、使わせたかな。」


「そんなの、いいのにね。」



沈黙。



「俺、ちょっと嬉しいけど。」


「へ?」


「央、二人きりにしてくれたんだろ?」


「そうだね。」



俺と二人きり、嫌?と訊かれる。



そんなの、返答に困る。



「…今は気まずい。」


「そう。」



海斗の声が沈んだ。





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