Coffee?
次の日、海斗は何年ぶりかに登校した。



あたしと央は、海斗の帰りを祈るような思いで待った。



「海斗、やっぱ学校やめるのかな?」


「良くて留年だろ?
なら、通信で高校の卒業資格取って、働くほうがいいじゃん?」


「そっかぁ…。」


「海斗、頭いいのに勿体ねぇなあ。」



ホントだ。



「あたしたち、勉強教えてもらったもんね。」



あぁ、と央は力なく頷く。



「もう、あたし達、問題ばっかだね。」


「えっ、お前も問題あんの?!」


「あ~、あるっちゃあるかな。」



どんな?と真剣な顔で詰め寄られ、あたしは吐き出した。



「学校の友達付き合いが大変なの!」


「へぇ、そうなのか?」


「…愚痴ったら長くなるけど?」



ギロッと睨むと、央はゴクリと唾を呑み下した。



「いっ、いいぞ。
聞くぞ。」



なんの宣言よ。



「……じゃあ、吐き散らす!!!」


「ひぃ~!」



あたしは海斗が帰ってくるまで、延々と愛ちゃんの愚痴を央に聞かせた。



「もう、こっちは大変よ。
咲子もキレてくるしさ。
あたしもイラッときてるしさ。
あの人の相手を押しつける人いないんだもん。」


「あ~。
お前、つくづく変な立場だよなぁ。」


「央はいっつも人気者だよね。」


「そんなことないって。
バイト先ではあんま仲良い人いないしさ。」





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