Coffee?
中はまだ段ボール箱が積んであった。



「ゴメン、昨日越したばっかりなんだ。」


「え、いいの、あたし達来ちゃって。」


「いいのいいの。
……手伝わせる為に呼んだんだから。」



キラリ、と海斗の目が悪戯に光る。



隣で央がゲッと呟いた。



「さあ、始めよう。」



パンッと手を打った海斗は近くの段ボールを指した。



「マジかよ…。」


「大マジ。
俺、明日から働くんだ。」


「は!?」



あたし達は一斉に海斗を見た。



「働く?」


「うん。
高校は通信教育で単位とるつもり。
で、昼間は働く。」


「そう。」



ストンと座りこんで、あたしは手近な段ボールを開けた。



中の食器類を取り出す。



央もそれに倣った。



海斗もそのまま作業を続けた。



海斗、働くんだ…。



あたしは働いている海斗を想像して、ちょっと笑った。






















< 58 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop