Coffee?
「待って、ちょっと…。」


「お前がスイッチ押したの。」


「押してない!」



あっそ、と言った直後、胸元に生暖かい感触。



「海…斗。」



前みたい。



あの時みたい。



あたしの脳内で海斗の部屋での出来事が思い起こされた。



たしか、気持ちよかったような。


首筋に唇の感触。



海斗の頭が頬に触れた。



思わず抱き締める。



「んッ。」



ギュッと抱くと、海斗が起き上がった。



「………ちょっと…。」



急に身体が宙に浮いた。



「やっぱ、最後まで。」



待って待って待って、待って。 


最後までってどういう…。



焦っている間にベッドに到着。



ベッドに向かって投げ捨てられる。



あたしは身体をボスッと沈ませ、着地した。



そして、海斗はその上に覆いかぶさってくる。



「もう、リミット切れた。」


「リミット?」


「お前、俺がいなかった間、央と会ってたんだろ?」



こくんと頷く。



「お前だけが央のアパートに行ったことあったんだってな?」



また頷く。



「でも、こういうことしてないもん。」


「当たり前!
してたら央を殴ってる。」




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