Coffee?
last cup
晴れの日のスターバックス。
美喜さんは天気と対照的に、憮然としている。
「で。」
珍しくフラペチーノを飲みながら、隣の海斗を睨む。
「いきなり現れたと思ったら、何幸せいっぱいって顔してんのよ。」
海斗はなおもニッコリ笑って首を傾げる。
「どーせ、由宇希とラブラブしてんでしょ。
あーいやらしい。」
かゆっ、と美喜さんは身体を縮めた。
「海斗、お前、もうちょっと俺達を信じてもよかったんじゃないか?」
横から真剣に岩谷さんが声をかける。
海斗はすまなさそうに身を縮めた。
「信じてなかったわけじゃなかったんだけど、結果的にこんなになっちゃって。」
ゴメン、と何度目かわからないけど、海斗は謝った。
「まあ、いいや。
海斗、今日はあんたの奢りだからね。」
ビシッと海斗を指差し、美喜さんはズーッと飲み物をすすった。
「しっかし、由宇希も幸せそうな顔してるね。」
美喜さんはあたしをちらりと見て、呆れたように天井を仰いだ。
「えへへ。」
「まあ、あんだけ愚痴ってても海斗が好きなんだね。」
「ちょっと待って、愚痴って…。」
ギロリとあたし達に睨まれ、海斗は口をつぐんだ。
「何、愚痴言われる筋合いないって言いたいわけ?」
「え、いや、そういうわけじゃ…。」
だんだん尻すぼみに、海斗は俯いた。