㎝恋愛*センチメ-トルレンアイ*
「紗維華ー。なにしてんの!!早く家に入りなさい!!」
家の中からお母さんの声。
「はっ…」
私はずっと玄関の前で放心状態だったらしい。
お母さんの声で改めてキスされたという現実が迫ってくる。
「あ゛――!!もうウジウジしたって仕方ないよ!!もう忘れよ!!」
そう1人でポジティブ思考をしていると。
「だから早く入りなさいって!!」
家の中からまたお母さんの声。
「はいぃッ!!」
私は家の中に入った。
すると。
家の玄関の中に見なれない男物の靴が三足。
革靴とスニーカーとスニーカー。
私には中2の弟、翔哉(しょうや)がいる。
けれども。
翔哉は革靴なんて絶対履かないし、このスニーカーも翔哉の趣味じゃない。
この靴たちは誰の…??
そんな小さな疑問を抱え、リビングに入った。
「あ、さい!俺の部屋まで案内してくれる??」