連鎖~恐怖の標的~
つがわなつこ
「やだ・・・こんなのウソに決まってるじゃん。」
そういう私の声も震えていた。紙切れを持つ杏子の手も、小刻みに震えている。
「うそ、嘘だよね!こんなものっ!」
杏子は勢いよく紙切れを破いた。紙切れは小さなチリになって床に落ちた。
「何もなかった、何もなかった。」
杏子はひとり言のようにそう呟き、準備の続きを始めた。
それは、放課後の図書室で起こった。杏子は図書委員なので、放課後残って貸出カードの整理をしなくてはならなかった。希美はそれについて行った。朝の落書きのことなんて、全然頭になかった。
「もう、だるいなあ。また戻し忘れだよ。」
カウンターの上に、一冊の本が置いてあった。“あなたの命、あと十秒”というタイトルの本。表紙には絵もない。真っ黒だった。
「こんな本、あったっけ?」
希美は1年の時からずっと図書室に通っている。こんな珍しい本があったら、気付くはずなのに。
そういう私の声も震えていた。紙切れを持つ杏子の手も、小刻みに震えている。
「うそ、嘘だよね!こんなものっ!」
杏子は勢いよく紙切れを破いた。紙切れは小さなチリになって床に落ちた。
「何もなかった、何もなかった。」
杏子はひとり言のようにそう呟き、準備の続きを始めた。
それは、放課後の図書室で起こった。杏子は図書委員なので、放課後残って貸出カードの整理をしなくてはならなかった。希美はそれについて行った。朝の落書きのことなんて、全然頭になかった。
「もう、だるいなあ。また戻し忘れだよ。」
カウンターの上に、一冊の本が置いてあった。“あなたの命、あと十秒”というタイトルの本。表紙には絵もない。真っ黒だった。
「こんな本、あったっけ?」
希美は1年の時からずっと図書室に通っている。こんな珍しい本があったら、気付くはずなのに。