連鎖～恐怖の標的～

次の日。杏子はいつもの場所で待っていなかった。

（やっぱり、なにかあったんだ）

不安になりながら学校へ行くと、杏子は自分の席に座ってうつむいていた。

「杏子！！」

私が呼ぶと、杏子は顔を上げた。右腕にギプスをしていた。

「やっぱり、けがしてたんだね。」
「うん。けっこうひどくて、二か月ぐらいかかるって。」
「はやく、よくなるといいね。」

杏子と話しながら、希美の頭の中はあの落書きのことでいっぱいだった。命はたすかったにしろ、あの落書きが影響している気がしてならない・・・