みどりの日
 雑然とし、なおかつ殺伐としている新都にそんな動物が侵入すれば、すぐさま討伐隊が組まれるだろう。

 そういう点において、この街は安全だ。

 なればこそ、心配することなど無いに等しいのだが、それでも気にかかってしまう。

 同僚――ラビットはその細く尖った耳をひくひくさせながら、自分をからかったものだった。

 オーライ、カセ。それは所帯を持った者の考えさ。ふっへっへ。

 帰ったら可愛い奥さんがいるんだろう? 今度紹介してくれよ。

 おいおい、カセ、本気で顔が怒った表情してるぜぇ?
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