みどりの日
 昨夜のビズで奴と組むはずだったのに、まさか一人で片付ける破目になるとは思わなかった。

 義腕の調子が悪いのも、無理をさせすぎたからかもしれない。

 右手側、ゲオルグの店だった場所を見ながらそう思った。

 確かに半年前まで建築物であったそこは、今では歪な大樹が生えている。

 半年で育つ大樹など聞いたこともないが、そんなことを気にするよりも、今は日々の生活を無事に送ることを考えるべきなのかもしれない。
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