『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ
正体
しばらくすると亜耶は涙を拭い立ち上がった。
携帯を手にすると何処かへ掛けはじめる。
「……―あぁ、私。亜耶」
電話の相手が出るなり、私から遠ざかって行く。
その所為で亜耶の声すらも聞こえない。
誰と話しているのかも分からない。
一時間目の授業が終わるのだろうか、チャイムが鳴っている。
「あーぁ、サボっちゃった」そんな事を思いながら、空を見上げた。
雲が空一面を覆い、太陽の光りも薄暗かった。