『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ


白い引き戸を前に緊張が走る。


「理恵、いい?行くよ」

「うん」

軽く息を吐き出す。


亜耶は引き戸に手をかけた。


――――ガラッッッ


勢いよく開けられた戸。


今までざわついていた教室が一気に静まり返り、そこにいた全員の視線が一斉に向けられる。



「浅井 沙也夏って奴いる?」

亜耶のいつもより低い声が響く。


私達に向いていた視線は、教室の窓側に向けられた。


そこにはあの朱い髪した女がいた。


< 108 / 376 >

この作品をシェア

pagetop