『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ
「頑丈って…ククッ」
「理恵…あんたってば…」
私は何か変な事を言ったのだろうか?
愁先輩は笑い、亜耶は呆れている。
「はぁ。愁兄、理恵置いて教室行こ」
愁先輩の腕を掴み倉庫を出て行く。
「待ってよ!」
二人を追いかけ倉庫を出た瞬間――
「うわっ」
腕を捕まれたと思った瞬間、背中に伝わる温もり。
…と、
私の大好きな香り。
「おい、走んな。また熱出んぞ」
耳にかかる息と脳に響く低い声が、私の心臓を鷲掴みにする。
「先…生……」
「騒がしいと思って来てみたら、お前等じゃねぇか」