『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ
みんなの元に戻ると、既に葉山も来ていた。
「遅かったな」
本練習前のランニング中だろうに、わざわざこちらに走って来る。
「うん。先生と話ししてたから」
自分の仕事に手を伸ばす。
「話しって?」
今日はしつこいな。
少しだけ面倒だと思いつつも、
「部活に慣れたか?とかそんなもん」
簡単に返しておく。
嘘は吐いてない。
真実。
少しだけ端折(はしょ)ってるだけ。
「ふ〜ん」
その態度が少し苛つかせる。
「アップ途中でしょ?行きなよ。先生が『身体冷やすな』って」
だから、ちょっと冷たく返した。