『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ
呼び出したのはいいが、何から話したらいいのか分からず、言葉を探す。
「………」
寒い!!
寒くて、凍え死ぬ前にどうにかしなくては。
やっとの思いで、話しを切り出した。
「あ…のさ…、昨日の…こと…なんだけどさ」
「あぁ…」
「何も…言わずに…帰ってごめん」
「いや、あれは俺も悪かった」
「それとね……葉山の気持ちには…応えられない」
「何で?」
刺々(とげとげ)しい口調が、私を畏縮(いしゅく)させる。
「……好きな人が…いるから」
それでも、ちゃんと自分の気持ちを伝えようと、言葉を紡(つむ)いでいく。