『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ
あれだけ長く感じていたテストも、あと1日となっていた。
嬉しい反面、やる瀬ない気持ちになる。
テストが終わったら、先生はもう来ないのだろうか?
いつまでも出ない答えを考えながら、リビングにあるソファーにもたれた。
―――ピンポーン…
微かに聞こえる…
―――ピンポーン…
「………ん…誰?」
目を開けると、真っ暗。
急いで受話器を取った。
「居ねぇのかと思った」
「居るよ」
少しだけ掠れて低い声。
いかにも“寝起きでした”の声。
「すぐ降りて来れるか?」
だけど、気付かれていない。
手をグーにしガッツポーズを決めた。