『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ


大きな溜め息を吐き出した。

水の溜まった上履きを徐(おもむろ)に持ち上げると、入っていた水を床にぶち撒けた。

びしょ濡れのままの上履きを放り投げると、ビシャっと云う音を立て小さな水溜まりに転がった。

私は躊躇する事もなく、それに足を突っ込んだ。


「冷たっ」

さすがに冬の水は、思っていたよりも冷たい。

履いていた靴を下駄箱に仕舞うと、そのまま教室へと向かった。

靴下が水分をどんどん吸い込み気持ち悪い。


やっぱり職員室でスリッパでも借りて来れば良かったか?

今となっては、もう遅いけれど…


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