『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ


時間が経つ程に足の体温を奪っていく。

じんじんと痛みのあったつま先も今では、感覚がなくなりかけている。


やっと教室まで来ると、深呼吸をし扉に手を掛けた。



今、私が辛い顔をしたら…

苦しそうな顔をしたら…

きっと相手の思うツボ。


そう思った私は、「こんな事なんて何でもない」と云う様な態度で入って行った。

みんなの視線が一気に集まる。

その視線の先は、私の上履き。

そして、話し声があちらこちらからヒソヒソと聞こえて来る。

嘲笑うかの様な声もする。


決して幻聴ではない筈。


< 324 / 376 >

この作品をシェア

pagetop