『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ
力強さはあるけれど、細い手。
それと同時に
「あんたが吉沢理恵?」
不快だと言わんばかりの女の声がした。
「だったら、何?」
私は振り向き、不機嫌な声を隠す事もなく発した。
相手は、朱い髪をした私より少し大きい女。
「テメー最近、調子に乗ってるらしいな。亜耶って奴といるからって、でけぇ態度してんじゃねぇぞ!!」
「してねぇーし。テメー誰だよ?亜耶?何か関係あんの?」
「それが生意気なんだよ!こっち来いや!!」
そう言った女は、私のお腹に蹴りを入れた。
「ウッッッ――………ゲホッ―…」
その場にうずくまる私の髪を鷲掴みにし、公衆トイレに引きずり込んだ。