『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ


―――――――――――


最終目的地、マンション。


「今日はありがとうございました」

玄関前。

制服の入った紙袋を渡された私は、お礼を言うと頭を下げた。


「いや、付き合わせて悪かったな」

「いえ、楽しかったです。それに服まで…」

少し目線を下げた私に、

「似合ってる。大事にしろよ」

優しく微笑んでいた。

「はい。大切にしますね」

「あぁ、じゃぁな」

「気を付けて」



右手を軽く挙げた先生は、エレベーターに向かって歩き出した。

その背中が小さくなるのを見届けた。


< 371 / 376 >

この作品をシェア

pagetop