『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ
長く続く通路を二人並んで歩く。
「親はいるのか?」
急な質問に心臓が止まるかと思った。
「………今は…いない」
「そうか。一人で大丈夫か?」
「本当に先生ってば心配性なんだから。もう高校生なんだから、大丈夫だよ」
先生の方を向き、にっこり笑って見せる。
いつもより、ゆっくりな歩調。
――それも先生の優しさ。
もう少しで通路の突き当たり。
私はポケットから鍵を取り出し、そこにあるドアの鍵を開けた。