『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ


「本当に一人で大丈夫か?」

心配性!
もう笑いしか出てこない。

「あはは。本当に…大丈夫…で…すから!」

お腹が痛くなる程笑った。
こんなに笑ったのは久しぶり。


「それならいいが…何かあったら、すぐに連絡してこい」

そう言うと、小さな白いメモ紙を私の手の中に、ギュッと握らせた。

「何これ?」

くしゃくしゃになった紙を広げると、11桁の数字が並んでいた。


「俺の携帯。いつでも構わない。何かあったらかけて来い」


「い…いいの?」

「ああ」

「ありがとうございます」

「じゃぁ、行くな。ゆっくり休めよ」

そう言うと、先生は片手を上げ去って行った。

< 70 / 376 >

この作品をシェア

pagetop