炭酸金魚水
「キス、していい?」
菜月は頬を赤く染めながらそう呟いた。
私は自分の耳を疑った。
まさか菜月がこんな事を言うとは夢にも思っていなかったからだ。
さっきの憶測など役に立たないだろうとは思っていたが、まさかこんな事になろうとは誰が予測できただろうか。
菜月の事は親よりも知っている筈だった私は、まさかの発言に口を開けたまま呆然とするしかできなかった。
菜月は目を潤ませ、私を見上げてきた。
そんな菜月を見て我に返った私は、自分が怪訝な顔をしている事に気がついた。
菜月が私の頬に手をそえた。