君しかいらない
見上げた瞬間

この漆黒の海のように黒くて

深い哀しみを宿した叔父さんの瞳に捕らえられ

呼吸を忘れてしまいそうになった。


「…あったよ」

「えっ?」

「イヤリング」

叔父さんの大きな手の平から零れ落ちる砂粒の中に

キラっと光ったあたしのイヤリング。


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