君しかいらない
「苺の…苺のたくさんのったケーキがいい…」

小さく呟くと

あの女は奇跡のような出来事が起きたみたいに

驚き、喜んだ。


「苺のケーキが好きなのねっ!私が焼くから」

「ケーキ焼けるの?」

「自慢できるほどじゃないけどね」

照れ臭そうに笑ったあの女の笑顔。


もしかしたら

お父さんはこの笑顔にやられたのかもしれないな…

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