君しかいらない

「真琴…お前が男の子だったらなぁ…」

「…ごめんね…まこと、女の子で」

「お前が…男の子だったら…

この家も少しは違っていたのかもしれないのになぁ…」



何も言い返さない真琴の頭を撫でて

また

遠い目をする。



同じ事を繰り返して

もう

どれくらいが経つのだろうか…。


あたしはそんなお父さんの背中を

腹立たしく見ていた。



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