君しかいらない
「…これ」

「俺のだよ。

天使さんの服は泥だらけだったから今洗って乾かしてる。

それに遠慮する事はないよ。

俺は天使さんにあの時のお礼がしたいだけだから。」


困るくらい無垢な笑顔を浮かべる彼に

あたしは

拍子抜けをして

力が抜けた。


あの時のお礼って…

あたしは

この人と会うのは初めてなはずなのに。


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