君しかいらない
「何…これ?」

「無きゃ不便だろ?」

「でも…あたし…」


あたしにはこれを受け取る資格なんかない。

「持っててくれよ。

これでもう二度と莉子に会えなくなるなんて堪えられないんだ…」

「でも…」


「いつかそれが必要じゃなくなった時に返してくれればいい。

もう一度…莉子に会える保証が欲しいんだ」


真っすぐ

あたしを見る彼の瞳を

あたしには振り切る事もできなかった。

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