君しかいらない
「…寝てる?」


少しの間、返事を待ったけど、聞こえてくるのは小さな寝息だった。


そっと触れた背中。


触れるほど近いのに

もう二度と会えないんじゃないかと思うほど遠くて


自分のついた嘘に

自分のとった行動に

やるせなくて涙が溢れてくる。


「…知也…ごめん。」



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