君しかいらない
お父さんの眉間にじわじわと皺が寄せられていく。

「…言ってみなさい。」


それでも落ち着いた様子で構えたお父さんに

あたしは

静かに頷いて


真っすぐに

お父さんだけを見つめた。


「あたし…

お腹の中に赤ちゃんがいるの。」




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