君しかいらない
「離して…」


呟いたあたしに

少しだけ身体をビクつかせた知也がゆっくりと離れていって

困惑した表情であたしの顔をのぞいた。


「知也…あたしは…あたしの未来には家族三人なんて…

そんな甘い未来はないよ」

「何…言ってんだよ。」

「よく考えてみなよ。

この赤ちゃんの父親が知也だってバレたら大変な事になるんだよ?」


必死に

それでも、なんとか冷静に落ち着いて

一つ一つの言葉をはきだした。


< 645 / 1,001 >

この作品をシェア

pagetop