君しかいらない

「ど、どうしたの?」

「だって、せっかく旦那様になる人の家に出向くんだから…化粧くらいしないとね。」

照れ臭そうに笑った真琴が続けて言った。


「…お母さんに似てるかな?」

「お母さんは…真っ赤な口紅よりも

淡いイメージのある人だったよ…」


お母さんの笑顔を思い浮かべながら言うと
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