君しかいらない
沢山の本の中からようやく真新しい表紙の日記帳を掘り出した。


「あった…」



表紙にうっすら被った埃を掃い除けると

部屋のドアをノックする音に一瞬体がビクつく。



「真理子?」

返事をするようにドアを開けた真理子がお腹のあたりを触りながら物悲しそうな顔で私を見ていた。


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