君しかいらない


「ああ、分かったよ。」

そう言った知也が勢いよく立ち上がり、私の腕を捕まえた。


「離して…」


「離すよ…だけど」


そう言うなり

強引に私を押し倒した知也の瞳。

暗闇を映し出すような

その漆黒の瞳に見えた私の姿が


あの日と重なる。




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