女社長は12歳
十六畳ほどの広さの社長室は、紺色のじゅうたんがびっしりと敷き詰められている。
壁には鹿の首がこちらを見ていていかにも社長室、という感じだ。
「おお~、きらら。待ってたぞ」
壁際でゴルフのパッティング練習をしていた良造がこちらを向ききららに手を降った。
きららは、前にいたオジサン達のわきをすり抜け、良造のほうに駆け寄った。
「おじいちゃん、どうしたの? どうせ夜に帰ってくるんでしょ? あたし練習してたんだから……」
きららは顔をあげてちょっと頬をふくらませた。
「いや、家ではだめなんじゃ。ここに来てもらわないといかんでな……きらら、ちょっとおじいちゃんと一緒に来なさい」
「え?」
良造は、パターをデスクに立てかけると、一人でさっさと部屋を出て廊下に出ていってしまった。
「ちょ、ちょっと……おじいちゃん……」
わけもわからないまま、きららは良造を見失わないよう、早足で後をついていった。
壁には鹿の首がこちらを見ていていかにも社長室、という感じだ。
「おお~、きらら。待ってたぞ」
壁際でゴルフのパッティング練習をしていた良造がこちらを向ききららに手を降った。
きららは、前にいたオジサン達のわきをすり抜け、良造のほうに駆け寄った。
「おじいちゃん、どうしたの? どうせ夜に帰ってくるんでしょ? あたし練習してたんだから……」
きららは顔をあげてちょっと頬をふくらませた。
「いや、家ではだめなんじゃ。ここに来てもらわないといかんでな……きらら、ちょっとおじいちゃんと一緒に来なさい」
「え?」
良造は、パターをデスクに立てかけると、一人でさっさと部屋を出て廊下に出ていってしまった。
「ちょ、ちょっと……おじいちゃん……」
わけもわからないまま、きららは良造を見失わないよう、早足で後をついていった。