女社長は12歳
これこそまさに青天のへきれき。

きららは、一瞬、何が起こったのか理解不能に陥った。

そして徐々に脳が思考を開始し、三秒後に、ようやくことの重大さに気がついた。


「えっ? え~~~~~~~~!」


「そういうわけじゃ。きらら、よろしく頼んだぞ」

「いや……ちょっと……お爺ちゃん! すぐに取り消して! あたしが社長なんて、無理に決まってるでしょ!」

きららは必死に良造に前言の撤回を求めた。

しかし良造は涼しい顔できららに言った。

「でも、みんなは喜んどるぞ?」

「え?」

ふと見ると、会議室にいるオジサンたちはみな一斉にスタンディングオベーションで拍手をしていた。

「パチパチパチ」

「お嬢様、経営のことは我々にまかせてください」

「お嬢様は、たまに会社に顔を出していただければ結構ですから。それに、宿題は大卒の社員にやらせますので、心配しないでいいですからね」

「そういえば、最近お嬢様は亡くなられた父上に似てきなさった」

オジサンたちは口々に満面の笑みをうかべ、さながら自分の孫を見るようなうるうるした目できららを見ていた。
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