女社長は12歳
「おじいちゃんは、まだ?」

「さっき呼んだんだけどねえ……」

――ガチャッ

ちょうどそのとき、良造が入ってきた。

「おお、これはうまそうだ。マチ子、ビール」

良造はテーブルを見渡してそう言うと、いつもの席についた。

「いただきます」

きららは、もう我慢しきれずに、誰よりも早くエビチリを小皿に取ると、大きな口を開け、エビチリをほうばる。

いつもながらの最高の味に、きららは叫んだ。

「美味しい~!」

きららは、エビを数尾取ると、それをご飯の上に乗せた。エビチリ丼を堪能しようという魂胆だった。

「きらら、さっきの話なんじゃがな……」

そんな幸せ絶頂のきららに、良造が話しかけた。
< 21 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop