女社長は12歳
「……だんなさん。いくらなんでも、きっちゃんが社長なんて……それに、急にドイツに行くだなんて……きっちゃんじゃなくたってびっくりしますよ。本当に行かれるのですか?」
マチ子は、ため息交じりにそう言った。
「ああ、実はもう飛行機のチケットも取ってあるんじゃ」
「まったく……だんなさんは何でも急に言い出すから、始末に困るんですよ? きっちゃん、一人になってかわいそうだと思わないんですか?」
「しかしのう、もう先方とも話がついておって……」
「ほんと、呆れて物が言えません!」
マチ子は、どん!という音をたててテーブルに手をつき、その反動を利用して立ち上がると、キッチンの方へと消えていった。
「完璧に怒らせてしまったかのう……」
良造は天井に目をやった。
マチ子は、ため息交じりにそう言った。
「ああ、実はもう飛行機のチケットも取ってあるんじゃ」
「まったく……だんなさんは何でも急に言い出すから、始末に困るんですよ? きっちゃん、一人になってかわいそうだと思わないんですか?」
「しかしのう、もう先方とも話がついておって……」
「ほんと、呆れて物が言えません!」
マチ子は、どん!という音をたててテーブルに手をつき、その反動を利用して立ち上がると、キッチンの方へと消えていった。
「完璧に怒らせてしまったかのう……」
良造は天井に目をやった。