女社長は12歳
「では、改めて幹部を紹介しよう。そうじゃな、木村から順番に自己紹介してくれんか?」

「はい、では、私は経理部長の木村です」

「あ……どうも」

きららは恐縮して深く頭を下げた。

「えー、営業部長の片岡です」

「人事部長の萩原です」

「広報部長の片桐です」

次々と幹部達が挨拶をしていく。

そのたびにきららは深く深く頭を下げた。

「こないだ神野(かみの)はおらんかったのう。話は聞いておると思うが、孫のきららにいろいろと協力してくれんじゃろうか」

良造は、最後に残った神野というオジサンに言った。

すると、神野は、スクッと立ち上がり良造に言った。

「社長、お言葉ですが、いくら社長のお孫さん、亡くなった専務の娘さんとはいえ、安易に会社をまかせることはできません」

神野は、きっぱりと良造に言う。

思わぬ展開にきららは固まった。

――なんか、やな雰囲気……
< 37 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop