女社長は12歳
「パパ、ママ、なんとかしてよ……ほんと、お祖父ちゃんて、なんであんなに自分勝手なの?」

今更ながら、良造の無責任さに腹が立った。

「……こんな奇抜なの、洋服屋さんで売れるのかな……雑貨屋さんとかで売れば売れるかも……」

しかし、そう思いつつも、心の反対側では、どうしたら売れるんだろう、と考える自分がいる。

きららは、なんだかんだ言いつつも企画を考えている自分が、ちょっとこっけいに思えた。

「とりあえず……何か案を出さないと……」

きららは。そう思い立って机に向かい、ノートを広げる。

そしてそこに、売り場を工夫したらどうか、とか、子供向けにCMを打ってはどうか、などと、思いつくまま箇条書きにしていった。

熱中しているきららは、いつも宿題をやっている時間をはるかにオーバーしていることも気付かなかった。
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