女社長は12歳
「あ、ごめん彩……今日はやめとくわ……」

「へ? そうなん? あっ! もしかして会社とか行かなきゃいけないとか?」

「うん……まあ、そんな感じかな」

「そっか……でもほんとにきららが社長になるの?」

「……わかんない……でも、お祖父ちゃんはそのつもりらしいの…」

「そうなんだ……ね? 社長って、どんなことするの?」

「うん……あたしにも、よくわかんないんだよね……」

「でも会社で一番えらいんでしょ? お前らバカモン! 売り上げ足んねーぞ! とか言ったりして、なんか気持ち良さそー」

「もう……」

彩に茶化され、再び机に向かってドリルを書き始めるが、すぐにまた手を止めた。

――ジャトコ、行きたいなあ……でもなあ……ソックスか……あっ!

ふときららは思った。

ソックス売り場を見てみたら、なにかヒントが得られるかもしれない。

きららは再び振り返って彩に言った。

「彩、やっぱジャトコ行こう」
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