女社長は12歳
「……コーチ、何してるかな……」
　
きららはふと、武田コーチのことを考えていた。

「そうだ……」
　
きららはリュックを取り出し、中をごそごそと探した。

「あ、あった」

リュックから紙の切れ端を取り出す。
それは、先日渡された、武田のアドレスが書かれた紙だった。

きららは携帯とアドレスの書かれた紙切れを持ってベッドに転がった。

そして、ごろごろとベッドを往復しては、その紙切れをながめていた。

「……メール、しちゃおかな……」

きららは、おそるおそる携帯を開き、そのキーに指を進める。

なにか、全身が震えだすような感じがした。

鳥肌が立っているのに顔は火照っているのが自分でもわかる。

それでも、なんとなく武田と繋がりたいという気持ちになっていた。
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